「塩をまく」の意味~Dune 砂の惑星からの疑問~

『デューン 砂の惑星〔新訳版〕』を寝る前に読んでいます。
上・中・下巻とあるので、すべて読んでからブログに読書メモを書こうと思っているのですが、今回は上巻で気になった部分について調べてみました。

それは「塩をまく」の意味について。
少しでもネタバレは嫌!という方は、これ以降は見ないでください。
物語の序盤ではありますが、多少ネタバレがあります。

デューン上巻の終盤、ドクターユエがレト公爵に麻酔針を打って拉致しようとする場面。
ユエはレト公爵に毒ガスの入った差し歯をはめ、ここぞという時にハルコンネンに毒ガスを吹きかけろと言います。そして公爵の息子ポールと母親ジェシカは逃がす手筈ができているとも。
どうやって二人を逃がす気なのかと問う公爵にユエはこう答えます。

「おふたりが死んだように見せかけて、ある者たちのところに匿わせます。
ハルコンネンの名を聞いただけでナイフを抜き、ハルコンネンの者どもを憎むあまり、一味の者がすわった椅子と知れば焼き捨て、一味の者が歩いた地面と見れば塩をまく者たちのもとにです」

フランク ハーバート. デューン 砂の惑星〔新訳版〕 上 デューン・シリーズ (ハヤカワ文庫SF)  

これを読んだ私は、日本語訳した時に日本人向けに「塩をまく」というフレーズを使ったのだと思いました。
日本で「塩をまく」とは清める行為で、忌々しいハルコンネンが通った後を清めるために塩をまくという意味にしたのだと。
英語版では清める的な意味で、他のフレーズが使われているに違いない!
しかし英語版を調べた所、その部分にも「salt the ground (地面に塩をまく)」と書かれていたのです。

“By making it appear they’re dead,
by secreting them among people who draw knife at hearing the Harkonnen name,
who hate the Harkonnens so much they’ll burn a chair in which a Harkonnen has sat,
salt the ground over which a Harkonnen has walked.”

「salt the ground (地面に塩をまく)」は「salt the earth」とも言います。
征服者が破壊した都市に塩をまくという儀式が由来で、二度と作物が育たないよう、二度と住めないように、その土地を再建できないようにという呪いの意味があったそうです。
なのでデューンのこのシーンでいくと、ハルコンネンの地が二度と栄えないようにと呪いながら塩をまく感じでしょうか。
ハルコンネン一味が滅んでほしいという強い憎しみを表しているのかな、と感じました。

同じ「塩をまく」行為でも、清めるのか、呪うのか、国や地方によって意味が違うのは興味深いです。

相撲で土俵にまくのは粗塩。
関取が踏んだら痛くないのか、いつも心配です。

本の感想はこちら→【読書メモ】デューン 砂の惑星|フランク・ハーバート

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