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【読書メモ】ギリシア神話全8巻 (マンガ)|里中満智子 ⭐︎おすすめ⭐︎

2026年10月現在、Kindle Unlimitedで全巻読めます。買う前にチェック!

書名:ギリシア神話 全8巻
著者:里中満智子 (1948- )
発行年:2026年Kindle(紙の本は2003-2004年)

世界と神々の誕生からトロイア戦争、オデュッセイアまで。

ギリシア神話が伝えられてきた歴史
紀元前2千年紀頃〜:ミケーネ文明など、神話の背景となった可能性のある古代ギリシア世界が栄える。
紀元前8〜7世紀頃:ホメロスやヘシオドスの詩を通じて、神々や英雄の物語が文学作品として伝えられる。
紀元前5世紀頃:悲劇などの演劇や美術の題材として、神話が広く扱われる。
※神話の多くは文字で記録される以前から口承で伝えられており、成立時期を正確に特定することは難しい。

ギリシア神話はもともと語り継がれてきた小さなお話の集合体なので、地域によって少しずつ内容が違います。この本は一般的な説を取り上げ、解釈しやすい一つのストーリーに編集されているところが良い点です。そこに注意すれば、初心者にもとてもわかりやすい本です。
私はクリストファー・ノーランの映画「オデュッセイア」の予習として読みました。全8巻のうちオデュッセイアは最後の8巻目だけですが、どうせならと全巻読みました。全8巻でマンガなので読むのに時間はあまりかかりません(私は超高速で2日で読みました)。全巻読んだ方が全体の流れや、神々のキャラクターも理解が深まり更に面白いです。ギリシア神話の全体像を掴みたい人や、初心者の人に激オススメのマンガです。

感想

ギリシア神話とは

ギリシア神話とは何か。神様が絶対的な存在だというのは言うまでもないけど、ではその神様とはなんなのか?一つは自然。大地、海、太陽、月など人間がコントロールできない存在。もう一つは力、権力、争い、美、欲望など、人間がコントロールを失い暴走してしまう存在。どちらも人間にとってコントロールできない存在がギリシア神話の中での神様なのかもしれない。だから、人間が神様を軽く扱ったり、人間の力に傲慢になると「お前たちは私をコントロールできないだろう」と神様の怒りを買って天災や災いが起きる。私の現時点での答えとしては、人間の力の暴走を戒めるもの、そして天災がどうして起こるのか理解するためのものだったのではと思いました。

好きなエピソード

個人的に好きなエピソードは、冥界の神ハデスが農耕と収穫の神デメテルの娘コレーを嫁にもらう話。ハデスがコレーに冥界のザクロを4粒食べさせたので、コレーは一年を12に割って一年の1/3は冥界にいなければいけない。その間、母のデメテルは悲しみ、地上に作物ができない。神様の話と実際の季節・農耕の話がちゃんと合致していて面白いと感じました。

なぜ西に厄介なものが追いやられているのか

西の果てには、内臓を鳥に突かれているプロメテウス、一つの目と一つの歯しかないグライアイ三姉妹、罰として天を支えるアトラス、メドゥーサを含めたゴルゴン三姉妹、冥界の入り口などがあります。なぜこんなにも全部の厄介ごとが西にあるのか?調べてみたけど今のところわかりません。先の「ギリシア神話とは」でも考えたように、コントロールできない日没や、夜、闇、死などを連想させる方角だから不吉なのかな?と思ったりもします。神々の中でもニュクス(夜)の子供には不穏な神が多い。エリス(争い)、タナトス(死)、ネメシス(因果応報)など。少し変なのは、その中にヘラとゼウスが結婚した時にガイアが送った黄金のリンゴの木もあること。個人的には結婚祝いだし、もっと東の方に、なんならオリュンポスに置けばいいのにと思ったのでした。

オデュッセイア

愛を貫いて勇気を持ち続けたオデュッセウスの物語。感動ストーリーなのはもちろん、勇敢であるが故の「自分の力でなんとかなる!」という人間の傲慢さに対する神の怒りのお話でもあるようです。船で帰らなきゃいけないのにポセイドンを怒らすというのはなんとも不運だけども。いやしかし、行くとこ行くとこで子作りしてますね。と思わずにはいられない。まあその地の人々が「私たちはオデュッセウスの子孫だ」と思いたいがためのことかもしれませんが。

次に読む本の候補:
・オイディプス王 (光文社古典新訳文庫)|ソポクレス
・ギリシア神話を知っていますか(新潮文庫)|阿刀田高
・変身物語 上 (講談社学術文庫)|オウィディウス
・アポロドーロス ギリシア神話 (岩波文庫)|高津 春繁

西の果てで天を支えているアトラス。
もっと中央で支えればいいのに!

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