作品名:はやい秋
著者:山川方夫(やまかわまさお) (1930-1965)
初出:1962年
山川方夫さんは昭和に活躍した小説家、ショートショート作家です。
この「はやい秋」は、何の前置きもなしにとりあえず読んでほしい!
読後、ニヤニヤすること間違いなしです。
あらすじ
主人公は夏の海の岩陰でその女を見、恋に落ちてしまう。
しかしその1回きりで、その女とは会えずにいた。
夏が終わり、戻ってきた街で偶然にもその女と再会する。
しかし、思いもかけないことが待っていた。
ちなみに私はポッドキャストで聞きました。
青空文庫で無料で読むこともできます。
青空文庫 「はやい秋」
楽しみたいのならネタバレ厳禁!
以下は必ず読んでからスクロールしてください。
どうでしたか?ニヤニヤしましたか?
私はてっきり物語の最初から、大学生かそこらの男の子の話だと勘違いしていました。
街で女と再会した時、やけに友達の牧田が母親に対して子どものような口調だと思ったら、なんと彼らは小学5年生!
しかも主人公の話を聞いていた相手は、なんと彼の家庭教師!この二段階でびっくりしました。
主人公の小5の男の子。10歳にしては口が達者すぎて!w
自信を失くした女ほど醜く、しかも手がつけられないものはないんだ。
それに、牧田がぼくの息子になるなんて、そんなグロテスクなことがあっていいもんだろうか?
10歳の男の子がこんなこと言ってきたら、面白すぎる!
もう1回読み返してみたところ、物語の始めにポイントがありました。
よく日焼けをして東京に帰ってきた主人公はなんだか元気がありません。
そこで主人公の話を聞いていた家庭教師は、
なんとか気分を変えねばならなかった。
私は煙草に火をつけ、からかうようにいった。
「いったい、どうしたんだ? 彼女にでもふられたのか?」
と言います。
私が思うに、この部分のお陰ですっかり私は「主人公は大学生くらいの男の子」というイメージを持ってしまったのです。
聞き役の家庭教師と主人公はてっきり友達同士だと思っていました。
しかも聞き役が煙草を吸っている。
そこから、二人とも大人なんだろうと勝手に思ってしまったのです。
すごいなぁ!こんなトリック!
しかもこの煙草のくだりを、実は家庭教師だから煙草吸うんだよと最後で種明かしするのも感動しました。
ちなみに女が海の岩陰で一人で話していたと発覚したときは、何だ?この話はホラーなのか?と小さくギクッとしました。笑
女のひとりごと
「だれが自分の過去を捨てられたり、昔の自分に戻ったりできるって思うの? そんなことは嘘だわ。
新しい、ちがう自分を未来のなかにみつけたがったり、ちがったように生きられる自分があるなんて想像こそ、不潔よ。
バカげてるわ。」

「人は変われない」ではなく、一足飛びに変われないという意味なのだろうか?
あくまで連続体の中で変化していく。それにしてもめっちゃ強く否定してるのはなんでだろう。
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